媒介契約の種類と特徴と注意点:不動産屋さんの本音

こんにちは。門真市と大東市、寝屋川市を中心に地域密着型の不動産サービスを提供しているベストライフ不動産です。今回は、不動産取引における重要な要素である「媒介契約」について、その種類や特徴、注意点をお伝えします。

はじめに:媒介契約の重要性

不動産取引を行う際、多くの方が「媒介契約」という言葉を耳にします。しかし、その詳細や重要性について十分に理解している方は少ないのが現状です。媒介契約は、売主・買主双方の利益を守り、スムーズな取引を実現するための重要な取り決めです。特に地域性の強い不動産市場では、適切な媒介契約を結ぶことが取引成功の鍵となります。

媒介契約とは?

媒介契約とは、不動産の売買や賃貸を希望する方(売主・貸主)と不動産業者との間で結ぶ契約のことです。この契約により、不動産業者は物件の紹介や交渉を行う権利を得ると同時に、その責任も負うことになります。

媒介契約の役割

  1. 取引の円滑化
  2. 権利と責任の明確化
  3. 適正価格での取引促進
  4. 法的トラブルの防止

不動産市場では、各エリアの特性や需要傾向が異なります。そのため、地域に精通した不動産会社と適切な媒介契約を結ぶことで、よりスムーズで有利な取引が可能になると言われています。

媒介契約の主な種類

媒介契約には、3つの種類があります。それぞれの特徴と注意点をご紹介します。

1. 専属専任媒介契約

特徴

  • 契約期間は最長3ヶ月
  • 一つの不動産会社のみと契約
  • 7日ごとに売主様への業務報告が義務付けられている
  • 不動産会社は、指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられる

※レインズについては、別の記事でご紹介いたします

  • 売主・貸主による自己発見取引が制限される

不動産屋の視点

専属専任媒介契約は、最も強い拘束力を持つ契約形態です。私たち不動産会社にとっては、最大限の努力を注ぐことができる契約です。基本的にほとんどの不動産業者は、この専属専任媒介契約を希望します。

なぜなら、成約に至れば必ず仲介手数料を頂けるからです。 

※仲介手数料:片手取引と両手取引の違い!は別の記事でご紹介いたします。(これを理解すれば、仲介業者の本音を50%以上は理解できます)

注意点

  • 広告媒体を確認する。(多種多様な広告をしてくれる不動産会社を選択することが重要です。)

 ※例)大手不動産会社:ポータルサイト(SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホームなど)は資金が豊富なので得意ですが、SNSサイト(Instagramなど)は苦手。働き方改革などで担当者が一つの物件に使える時間が減少しているし、休日の対応ができないことで見学希望を取り逃がしてしまうことがある。

  小規模不動産会社:売却の依頼を受けている数が大手と比較して少ないので、一つの物件にかけられる広告費は充実している会社が多い。SNSサイトの利用なども自由度が高い。一つの物件に使える時間も多いので、個人宅へのチラシの配布やオープンハウスの開催なども実施可能。休日も携帯電話を持ち、仕事の電話に対応する担当者も多いので、見学希望者を取り逃すことは少ない。しかし、大手不動産会社のように統一したルールが無いことから、会社によっては、コンプライアンス違反、知識のブラッシュアップが行われない、広告を一切しない等の問題点もみられることも現実です。

  • 不動産会社の能力や信頼性の見極めが非常に重要
  • 契約期間中は他の不動産会社を利用できないため、慎重な判断が必要
  • 頻繁な報告義務があるため、頻繁な連絡が苦手な方は報告方法にメールや郵便を指定してください。

2. 専任媒介契約

特徴

  • 契約期間は最長3ヶ月
  • 一つの不動産会社のみと契約
  • 14日ごとに業務報告が義務付けられている
  • 指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられている

不動産屋の視点

専任媒介契約は、私たち不動産会社にとって力を入れやすい契約形態です。しかし、専任媒介契約は、あまり実務では結ぶ事がありません。(他の地域は知りませんが、大阪府では少ないです)

専属専任媒介契約と違い、売主様の自己発見取引が可能ですが、自己発見取引自体がほとんど行われないので、専任媒介契約にする意味がないのが実情です。現金で購入してもらえる程度の物件価格でしたら意味があるのですが、住宅ローンを採用する際は、金融機関から「重要事項説明書」「不動産売買契約書」の提出を求められます。自己発見取引では、適法でトラブルのない「重要事項説明書」「不動産売買契約書」の作成と記名押印がほぼ不可能なので、住宅ローンの申し込みが困難となります。

そのような理由から、専任媒介契約を結ぶ頻度は極端に少ないです。

注意点

  • 一社に任せきりになるため、不動産会社の選定が重要
  • 契約期間中は他の不動産会社を利用できないため、慎重な判断が必要
  • 自己発見取引をするつもりがないなら、専属専任媒介契約にするほうが良い

3. 一般媒介契約

特徴

  • 契約期間の定めなし(3ケ月間が推奨されている)
  • 複数の不動産会社と契約可能
  • 業務報告の義務なし
  • 指定流通機構(レインズ)への登録義務なし ※ここに裏技あり。一般媒介契約のもう一つの活用方法とは?は別の記事でご紹介いたします。

不動産屋の視点

一般媒介契約は、お客様にとって自由度が高い反面、各不動産会社の動きが鈍くなる可能性があります。複数の会社と契約することで、より多くの購入者や借主にアプローチできる可能性はありますが、各社の活動力は薄れる傾向にあります。

その理由は、仲介手数料が入らない(0円に終わる)可能性があるからです。 ここで営業担当者の心理なのですが、営業職をしている以上、成績(売上)が最重要と言っても過言ではございません。会社は、成績優秀者へ高給を支払い、昇格させます。成績下位者は、その逆になります。と言うことは、限られた営業時間と広告費をどの担当物件に費やすかは、一目瞭然ですね。成績0に終わる可能性のある一般媒介契約に費やすより、確実に成績になる専任契約に時間と労力と広告費を費やします。これが、一般と専任の本質的な違いです。

しかも、成績優秀な営業担当者ほど、このことを熟知しており、時間の使い方が上手です。上手だから成績があがります。そして、そのような営業担当者ほど要領が良く仕事ができるので、販売能力もあります。これでお分かりになったと思いますが、仕事のできる営業担当についてもらうことで、高額で早期売却の可能性があがるはずなので、、、というのも一つの考え方です。

※仲介手数料:片手取引と両手取引の違い!は別の記事でご紹介いたします。(これを理解すれば、仲介業者の本音を50%以上は理解できます)

注意点

  • 複数の不動産会社が関わるため、情報管理や価格交渉が複雑になる可能性がある
  • 各社の責任感が薄れ、積極的な販売活動が行われない可能性がある
  • 多くの不動産会社が窓口となるため、連絡の頻繁になり煩わしい

媒介契約を結ぶ際の注意点

1. 地域精通度の確認

地域の不動産市場は、エリアごとに異なる特性を持っています。例えば、ある駅周辺は商業施設が充実しており、利便性を求める単身者や若いファミリー層に人気があります。一方、別のエリアは閑静な住宅地が広がり、落ち着いた環境を求める層に支持されています。

このような地域特性を熟知している不動産会社を選ぶことで、より効果的な販売戦略を立てることができます。契約前に、不動産会社の地域に関する知識や経験をしっかりと確認しましょう。

2. コミュニケーション能力の評価

特に専任媒介契約や専属専任媒介契約では、定期的な報告が義務付けられています。そのため、不動産会社とのコミュニケーションが円滑に行えるかどうかは非常に重要です。

地域の物件では、地域特有の条件(例:特定の学区の人気や、今後の再開発計画など)が取引に大きく影響することがあります。これらの情報をタイムリーかつ分かりやすく伝えてくれる不動産会社を選びましょう。

3. 販売戦略の具体性

契約前に、不動産会社の販売戦略をしっかり確認することが大切です。地域の市場動向を踏まえた具体的な戦略を提案してくれる会社を選びましょう。

4. 契約内容の理解

各契約形態のメリット・デメリットを十分に理解した上で契約を結ぶことが重要です。特に、専任媒介契約や専属専任媒介契約では、契約期間中の制限事項をよく確認しましょう。

地域の不動産取引では、地域特有の慣習や条件が存在することがあります。これらの点について、不動産会社から丁寧な説明を受けることが大切です。

5. 解約条件の確認

万が一の場合に備えて、解約条件も事前に確認しておきましょう。特に、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、契約期間中の解約には一定の制限がある場合があります。

急な事情で、売却を断念するケースで、「3か月間は解約できません。」と言われると困ります。私の知るところで、そんな事を言う会社を見たことも聞いたこともありませんが、、、念のためご確認を。

6. 手数料の確認

媒介契約を結ぶ際は、必ず手数料の金額と支払い条件を確認しましょう。物件の種類や取引金額によって手数料の交渉が可能です。(仲介手数料の値引き等)

7. 情報管理体制の確認

不動産取引では、個人情報や財産に関する重要な情報を不動産会社に提供することになります。そのため、不動産会社の情報管理体制をしっかりと確認することが大切です。個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。不動産会社のプライバシーポリシーや情報セキュリティ対策について、具体的に説明を求めましょう。

管理体制は、「大手>小規模>中規模」の順になることが一般的と言われています。厳しい社則(ルール)があるのが大手。責任所在の徹底が統治しやすいのが小規模。

8. 物件評価の妥当性

不動産会社が提示する物件評価(売却価格や賃料)が妥当かどうか、複数の視点から検討することが重要です。地域の不動産価格は、駅からの距離や周辺環境によって大きく変わります。

例えば、ある駅周辺と別の駅周辺では、似たような物件でも価格が大きく異なることがあります。不動産会社の評価額が適切かどうか、近隣の取引事例なども参考にしながら判断しましょう。

9. 今後の地域開発計画の把握

門真市・大東市・寝屋川市地域は大阪都市圏の重要な一角を占めており、常に新たな開発や再開発が計画されています。将来の不動産価値に大きな影響を与える可能性のあるこれらの計画を把握している不動産会社を選ぶことが賢明です。

例えば、エリアによっては新たな交通インフラの整備計画や、駅周辺の再開発が検討されているケースがあります。このような将来の展望を踏まえた助言ができる不動産会社との契約が、長期的な視点での不動産取引には欠かせません。

まとめ:適切な媒介契約選択の重要性

媒介契約は、不動産取引を成功させるための重要な第一歩です。特に地域性の強い不動産市場では、地域に精通した不動産会社を選び、適切な契約形態を選択することが、スムーズで有利な取引につながります。

  1. 専属専任媒介契約:最も強い拘束力を持つ契約形態で、不動産会社との強い信頼関係が必要です。
  2. 専任媒介契約:専属専任媒介契約とさほど変わりません。
  3. 一般媒介契約:自由度は高いものの、各社の動きが鈍くなる可能性があります。多様な不動産市場特性を生かすには、地域ごとに強みを持つ複数の不動産会社を適切に選ぶ必要があります。

適切な媒介契約と信頼できる不動産会社の選択は、不動産取引を成功に導く重要な要素です。地域の特性を理解し、お客様のニーズに寄り添った対応ができる不動産会社を選ぶことで、満足のいく取引結果を得られる可能性が高まります。

ベストライフ不動産株式会社のご紹介

最後に、ベストライフ不動産について少しご紹介させていただきます。

当社は、門真市と大東市、寝屋川市を中心とした地域密着型の小さな不動産会社です。生まれも育ちも門真市の私が地域に貢献するべく立ち上げました。地域の特性や市場動向を熟知し、お客様一人ひとりのニーズに合わせた、きめ細やかなサービスが提供できるように日々、邁進しております。

当社の拘り

1.低価格・高サービスへの拘り:不明瞭な請求を致しません!

  • 住宅ローン取扱手数料0円。
    ※当社が住宅ローンのサポートをする費用は不要です。
  • 登記費用に当社の利益を上乗せすることはございません。
  • 仲介手数料の割引が可能です。
  • リフォーム工事費用をリーズナブルにご提案いたします。

2.安心・安全取引への拘り:お客様が賠償責任を負うリスクの軽減、取引完了までの期間リスクの軽減、契約書記載事項の不利になる文言削除、物件自体のリスク説明などなど、有資格者が、お引渡し完了までお取引を統轄いたします。

保有資格者一覧

宅建マイスター

宅地建物取引士

AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

住宅ローンアドバイザー

3.本音をお伝えする事への拘り:

デメリットもお伝えします。物件のメリットだけでなく、デメリットもお伝えします。

媒介契約欲しさに高額査定をしません。査定価格をはじめ、購入価格、手数料など、価格・相場・費用についても全て客観的事実をお伝えします。

4.迅速対応への拘り:

・お客様目線に立ち、スピードのある仕事

・定休日のご連絡も大歓迎です。

不動産に関するご相談はもちろんですが、リフォーム・相続・住宅ローン等など、お住まいの事でしたら何なりとお申し付けください。

門真市や大東市、寝屋川市の不動産のことなら、ぜひ、ベストライフ不動産にお任せください。お客様の大切な財産を、最大限有利に取り扱うことをお約束するとともに、不動産取引の成功に向けて、全力でサポートさせていただきます。

この記事を書いた人

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